中学生になった君は、今日も元気に生きているだろうか?
元気に生きているかどうかは、日によるだろう。人生は山あり谷ありだ。元気なときもあれば、元気がないときもあるだろう。
だけれども、少なくとも君なりに、まじめに生きているはずだ。
私も君と同じぐらいの歳のとき、君と同じようにまじめに中学生として生きていた。
私が通っていた中学校は、成績の上位八十パーセントの人がそのまま高校に進め、下記二十パーセントの人が別の高校に行かなければならない学校だった。中学三年生のとき、私は高校にそのまま進めるかどうかわからない状態だった。つまり私の成績は、下から数えて二十パーセント前後だったわけだ。
私は勉強が好きだったわけではないが、特別嫌いだったわけでもない。勉強をしなくなるほど、他に熱中していたことがあったわけでもない。自主トレをする程度に部活の水泳に励み、母に一日のゲーム時間の制限をかけられる程、テレビゲームにハマっていたぐらいだ。平均的な中学生だったと思う。
このような平均的な中学生活を、まじめに送ってきた私の成績は、平均よりもかなり下だった。当時はまだ少なかった時計型の心拍計で、心拍数を管理しながら自主トレをした水泳も、あまり速くならず、チームの主力になることは一度も無かった。あんなにまじめに生きていたにも関わらず、大した結果は出なかったのだ。
結果的にそのまま進学できた高校で、私は相変わらず普通の高校生活を送り、相変わらず成績は下から数えた方が早かった。状況が変わったのは、高校二年生のときだ。高校の同級生みんなが大学受験をするから、それに流されて、私も大学受験のための塾に通い始めた。
その塾では、一日を二十四時間で分けたスケジュール表が生徒に配られた。そのスケジュール表をできる限り勉強時間で埋めれば、大学受験は成功するだろうという話だった。その塾では、大学受験の勉強だけではなく、受験勉強の「方法」まで教えていたのだ。
「確かに、その通りだ」そう思った私は、スケジュール表をできる限り勉強時間で埋め、第一志望の大学に合格した。まじめに物事に取り組み、成果が出たのだ。これは私にとって初めての経験だった。
そのあとも、私はこの本を書いている今現在までの十七年間、まじめに生き続けてきた。しかしまじめに物事に取り組んでいるからといって、必ず報われるわけではなかった。そんなときはいつも、うまくいく「方法」を探し、その「方法」を身につけることで乗り越えてきた。
十七年の間、新しい「方法」を身につけることもあれば、すでに身につけた「方法」を改善することもあった。研究者のように、そのときの自分の状態に合わせて、いろいろな「方法」を試し続けた。
この本を書いている今、君は四歳だ。今月の誕生日を迎えたら、五歳になる。
そしてこの本を読むとき、君は十三歳になっているはずだ。
君が十三歳になるとき、社会が中高生に求める能力のレベルは、私が十三歳だったときに求められていたレベルよりも高くなっている。社会に出てから必要とされる能力を、中高生のうちにある程度身につけていることが、社会から期待されている。
社会から何を期待されていようが、私には関係ない? 私もそう思う。実際、私も学生のうちは社会からの期待なんて意識したことはなかった。だけど自分の成績は意識した。君もそうだろう? 君の気にする学生時代の成績とは、社会からの期待にどれだけ応えたかのバロメーターだ。私が学生だったころは、成績=テストの点だったが、君の時代では様々な方法で君の成績が決まる。日本の学校教育法が二〇〇七年に変わったからだ。
たとえば、小論文で学生を評価するという話がある。小論文とは、自分の考えを書く作文だ。読書感想文の読書がないパターンを想像したらいい。よい小論文を書くには、自分の考えを人に効果的に伝えるための表現力が必要になるだろう。
他にも、調査書や活動報告書を学生の評価材料とするらしい。それぞれ、中学や高校の授業にその生徒がどれだけ主体的に関わったかを担任の先生がまとめる書類と、学校以外での活動の成果を自分でまとめる書類だ。私の時代は、一回のテストで良い点を取れば評価されたが、君の時代は学生時代の長期的な活動も評価に入るようだ。
さらには、面接やディベート、ディスカッションで評価するという話もある。コミュニケーション能力や他の人と協力して物事を進める力、自分の意見を通すだけではなく、いろいろな意見を受け入れ、一番よい考えを生み出す力が求められるだろう。
これらの評価方法は、会社が就職試験で使う評価方法と同じだ。これがさっき私が書いた、「社会に出てから必要とされる能力を、中高生のうちにある程度身につけていることが、社会から期待されている。」の意味だ。
私の本音を話すと、君が上記の評価方法でどのような評価をされようが、事実として君が大切であることも、君の価値も変わらない。これは君だけではなく、他の学生も同じだ。だから、君がこの学校教育法というゲームでの得点をたくさん取ろうと頑張るのも、ゲームなんだから気にしないのも、君の自由だ。
ただ私は、最初の方に書いたうまくいく「方法」を使うことで、ゲームでの得点を取りやすくなることを知っている。勉強でも、能力アップでも、学校以外での活動でも、「方法」を知っていれば、つまずくことが少なくなる。少し先の話だが、この「方法」を身につければ、君がひとり暮らしを始めたときの家事や、仕事もラクにしてくれる。この「方法」は、日々の生活をラクにしてくれるし、山あり谷ありの人生も少しラクにする。
十三歳ではまだあまり耳にしたことはないと思うが、人生の「成功法則」という言葉を耳にする機会がこれから増えてくるだろう。だけど「成功法則」なんて存在しないから、そういう甘い言葉に釣られてはダメだ。よく考えてみよう。人生は人それぞれだ。人それぞれの人生に、一つの決まった成功法則が存在するはずはないだろう?そんなものが存在するなら、すぐに全世界に広まって、全世界の人が成功しているはずだ。
「成功法則」なんてものはないが、生活や人生の難易度を一段階下げてくれる「方法」はある。この「方法」を守ったからといって、成功するとは限らない。でも気分はラクになり、やりたいこともラクにできる。それが私がこの本で君に伝えたい「方法」だ。この「方法」を知った上で、君がどんな選択をするかは、君の自由だ。
君が幸せな人生を送りますように。
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編集後記
唐突ですが、タスク管理本の執筆はじめました!十三歳の自分の娘に向けた本です。この文章に赤入れをしてもらって、手直しした文章をまたアップする予定です。
同時に、タスク管理をやったことのない、または本気でやったことのない人向けに、この本で紹介するタスク習得メソッドの体験モニターを募集します。
このSubstackを購読されている方にタスク管理初心者はいないと思いますが、たとえば自分の子どもにタスク管理を教えたいと思っている親御さんでも結構です。私のメソッドを試してみて、うまくいった点・うまくいかなかった点をフィードバック頂ければと思います。
うまくいかなかった場合、私の十七年の経験と200冊の蔵書からうまくいく方法を考えます。そしてそれをタスク管理本の内容にフィードバックします。
私のメソッドの改善のためのモニター募集ですので、活動内容が私のタスク管理本に反映される点はご了承願います。もちろん個人が特定されるような情報の出し方はしません。「こういう点でつまずくかも知れないが、そういうときはこうする」というような話に使わせて頂きたいという話です。
ただ、タスク管理ではある程度自分の行動を変える必要があるので、受け身ではなく、能動的にタスク管理を習得する意欲がある方が対象になります。「タスク管理習得したいんだけど、なんかうまくいかない。」という話なら、いくらでも「どうすればうまくいくか?」と知恵を絞りますが、「ラクにタスク管理習得できると思ったから申し込んだのに、思ったよりしんどいからやれない。やりたくない。」という話には対応できません。。
私の娘に教えるように、愛をもって手取り足取りサポートしますので、3~5名をサポートするのが限界かと考えています。
コミュニケーションの方法は、Discordという文字&音声チャットを使って、モニターの方全員や個々人とやりとりしていく予定です。
もしご興味ある方は、下にあるSubstackコメントボタンやnoteやTwitter、なんでもよいのでコンタクト下さい。匿名で結構です。
また、Podcastで再告知すると思います。よろしくお願いします!
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